※本記事は『VIVANT』第2シーズン第4話(通算第14話)のネタバレを含みます。
『VIVANT2』第4話では、別班員5人の情報を売った野崎の行動と、その背後にいる組織「XINXI」の存在が明らかになった。
一見すると、野崎が日本と公安を裏切ったように見える。
しかし、今回の野崎の言動を見ていると、本当に日本を敵に回したとは考えにくい。むしろ、日本の利益のためにXINXIへ潜入しているようにも見える。
さらに気になったのが、長野専務が繰り返す「愛する人」という言葉だ。
単なる人生の後悔としては、あまりにも繰り返しが多い。長野は意図的に、薫を「乃木の愛する人」と位置づけ、乃木と視聴者の両方から疑いをそらそうとしているのではないだろうか。
今回は、第4話で気になった次の謎を中心に考察していく。
- 長野専務が「愛する人」を繰り返す理由
- 野崎は本当に日本を裏切ったのか
- なぜ野崎は別班の情報をXINXIへ売ったのか
- ハン・リンジンと野崎の関係
- XINXIがベキの孤児院を調べる理由
- クレバノフ家とドラムが関係している可能性
- 新庄は本当に死亡したのか
第4話の暫定結論|野崎は日本のために別班を売った?
今回の描写から考えた現時点での本命は、
野崎は日本を裏切ったのではなく、XINXIへ潜入するために「日本のために別班を売った」
という説だ。
TBS公式の第14話あらすじでは、野崎について「5人の別班を売った」と明記されている。
しかし、飯田和孝プロデューサーは第2シーズンについて、「乃木目線で、乃木が見えているものにフォーカスして見てほしい」と説明している。
つまり、現在描かれている「野崎=裏切り者・宿敵」という構図は、あくまで乃木から見た野崎の姿なのかもしれない。
飯田プロデューサーのインタビュー
野崎はシーズン1の乃木と同じことをしている
野崎の行動は、シーズン1で乃木がテントへ潜入したときの構図とよく似ている。
シーズン1の乃木は、テントから信用を得るために仲間の別班員を銃撃した。
一方、シーズン2の野崎は、XINXIから信用を得るために別班員5人の情報を売った。
- 乃木は仲間を撃ち、テントへ潜入した
- 野崎は仲間を売り、XINXIへ潜入した
どちらも、仲間を犠牲にすることで敵の懐へ入り込んでいる。
乃木の銃撃が本当の裏切りではなかったように、野崎による情報流出も、本当の裏切りではない可能性が高い。
野崎は別班員を拉致させることで、
- XINXIから信用を得る
- 別班員の移送先を特定する
- XINXIの指揮系統を探る
- ハン・リンジン本人へ接近する
- 最終的に乃木をXINXIへ導く
ところまで計算しているのではないだろうか。
佐野が野崎の正体を知っていた意味
公安部長の佐野が野崎の正体を知っていたことも重要だ。
もし野崎が単独で日本を裏切っているなら、公安上層部である佐野がその正体を把握していたことと矛盾する。
そこで考えられるのが、
野崎のXINXI潜入は、佐野だけが把握している公安の極秘作戦
という可能性だ。
別班でも、長野専務と乃木は互いが別班員であることを知らなかった。機密性の高い任務では、同じ組織の人間にも情報を共有しない。
同じように、公安内部でも佐野と野崎だけが作戦の全貌を知っているのかもしれない。
ただし、逆に佐野自身がXINXIとつながっている可能性も残る。
今後、野崎が佐野へ密かに報告する場面が描かれれば、公安による潜入作戦説が一気に濃厚になる。
なぜ野崎は本物の別班情報を売ったのか
野崎が別班の情報を売った理由として、内通者を探すためという可能性も考えられる。
ただ、現時点では「XINXIへ入り込むための手土産」だった可能性の方が高そうだ。
国際的な情報組織に信用されるには、簡単に作れる偽情報では足りない。
野崎は本物の別班情報を渡し、実際に5人を拉致させることで、ハン・リンジンからの信用を得たのではないだろうか。
内通者探しが目的なら、野崎が複数の人物に少しずつ内容の違う情報を渡していた可能性もある。
どの情報をもとにXINXIが動いたのかを確認すれば、情報流出のルートを特定できる。今後、いわゆる「情報の指紋」が明かされるかにも注目したい。
長野専務は薫への疑いをそらしている?
今回、特に違和感があったのが、長野専務による「愛する人」という言葉の繰り返しだ。
一度だけなら、任務に人生を捧げた長野の悔恨として理解できる。
しかし、話の文脈として少し厳しい場面でも「愛する人」を挟んでくるため、単なる人生相談とは考えにくい。
長野は意図的に、
薫は乃木が守るべき「愛する人」であり、疑うべき人物ではない
という印象を植え付けているのではないだろうか。
しかも、経験豊富な別班員である長野が語ることで、薫の潔白が保証されたように見える。
これは乃木だけでなく、視聴者に対するミスリードとしても機能している。
長野が薫を庇う3つの可能性
長野の目的としては、次の3つが考えられる。
- 薫が日本側の極秘要員であり、正体を隠している
- 薫を泳がせるため、乃木には疑わせず接触を続けさせている
- 長野自身がXINXI側で、仲間である薫を庇っている
現時点では、2番目の「薫を泳がせている」説が最も自然に見える。
薫とジャミーンは特殊作戦群によって警護されていたが、乃木との通話まで盗聴されていた。
本当に守るだけなら、盗聴までする必要はない。
日本側も薫を完全には信用しておらず、乃木との接触を通じて反応や行動を監視している可能性がある。
長野が乃木に薫への電話を促したのも、薫を安心させ、自然な接触を続けさせるためだったのかもしれない。
ハン・リンジンと野崎は以前からつながっていた?
野崎とワインを飲んでいた女性は、XINXI側の中心人物であるハン・リンジン本人だった。
ここで気になるのが、二人の距離感だ。
単なる情報提供者が、いきなりハン・リンジン本人と落ち着いてワインを飲めるとは考えにくい。
二人の間には、以前から何らかの関係があった可能性が高い。
- 野崎は以前からXINXIへ潜入していた
- ハンは野崎の過去や本当の経歴を知っている
- 野崎は長期間かけてハンの信用を得ていた
- 二人には組織を超えた個人的な因縁がある
別班情報の売却は、ハンと会うための最初の手土産ではなく、すでに築いていた関係を決定的な信頼へ変えるための行動だったのかもしれない。
XINXIはテロ組織ではなく国際情報組織?
「XINXI」という名称も、その組織の性質を表している可能性がある。
中国語の「信息(xìnxī)」には、「情報・知らせ・メッセージ」という意味がある。
そのためXINXIは、テントのように自らテロを実行する組織ではなく、
各国の機密情報を収集し、売買・操作する国際情報組織
なのではないだろうか。
別班員をすぐに殺さず拉致したことも、XINXIの目的が復讐や破壊ではなく、情報を引き出すことだと考えれば説明できる。
ハン・リンジンがベキの孤児院を調べる理由
ハンが野崎に確認したのは、別班の情報だけではない。
ベキが孤児院を運営していた件についても関心を示していた。
単なる情報組織が孤児院について調べるのは不自然だ。
考えられるのは、孤児院そのものではなく、そこで育った子どもたちが目的ということだ。
ベキに救われた孤児たちは、現在では世界各地で生活している。
その中には、政府・軍・企業・情報機関などに入り込んでいる人物がいるかもしれない。
つまり、ベキの孤児院の名簿は、巨大な人的ネットワークの一覧にもなり得る。
ハン自身が孤児院と関係している?
さらに踏み込むなら、
ハン・リンジン本人、またはハンの家族がベキの孤児院出身
という可能性もある。
ハンが自分の出自を調べている、あるいは孤児院で起きた過去の出来事を追っているのかもしれない。
そう考えると、ハンがベキの孤児院に関心を示したのは、XINXIの任務というより個人的な目的にも見える。
クレバノフ家とドラムが関わってくる?
ここで関係してきそうなのが、クレバノフ家とドラムの過去だ。
例えば、次のようなつながりが考えられる。
- クレバノフ家によって家族を失った子どもが孤児院へ送られた
- ベキがその子どもを救った
- 孤児の一人が後のハン・リンジンだった
- ドラムも同じ事件や孤児院に関係している
- XINXIはクレバノフ家に関する証拠や人物を探している
ドラムが内通者という可能性も残っている。
ただし、ドラムが自分の意思で裏切っているとは限らない。
過去や大切な人を利用され、本人も気づかないまま情報源にされている可能性もある。
以前から考えていた「ドラムは誰かを守るために情報を渡している」という展開にもつながりそうだ。
薫も孤児院とXINXIをつなぐ人物?
薫は医師としてバルカで活動し、ジャミーンを守ってきた人物だ。
一方、ハン・リンジンはベキの孤児院について調べている。
XINXIが孤児や孤児院の人脈を追っているなら、医療支援を通じてバルカの子どもたちと接触していた薫が関係していても不思議ではない。
薫はシーズン1から、経歴や家族関係がほとんど描かれていない。
薫がXINXI側なのか、日本側の潜入要員なのかは分からない。
しかし、長野が不自然なほど薫を「愛する人」として扱わせようとすることを考えると、長野が薫の正体を知っている可能性は高そうだ。
新庄は本当に死亡したのか
新庄についても、本当に死亡したのかはまだ疑わしい。
放送前には、竜星涼が第14話を新庄の「集大成」と表現し、飯田プロデューサーも「新庄が大きな転換点を迎える」と説明していた。
そのため、物語上は今回で退場した可能性が高い。
一方で、カトリックを思わせる描写をわざわざ入れた理由は気になる。
考えられるのは、
- 新庄の死と贖罪を表す演出
- ベキを救った動機に宗教的背景がある
- 遺体や埋葬を偽装するための伏線
などだ。
遺体の顔やDNAによる確認が描かれていないなら、生存説は捨てきれない。
『VIVANT』では、死亡したと思われた人物が生きていた例が何度もある。
新庄についても、「死亡したという情報」だけでは完全に信用できないだろう。
第4話時点の全体仮説
ここまでの情報をつなげると、次のような構図が考えられる。
佐野の極秘命令を受けた野崎は、以前からXINXIへ潜入していた。
ハン・リンジンから完全な信用を得るため、本物の別班情報を渡し、5人を拉致させた。
XINXIの目的は、ベキの孤児院から生まれた人的ネットワークを手に入れること。
ハン自身も孤児院やクレバノフ家と個人的な因縁を持っている。
一方、日本側は薫を監視しており、長野は乃木に疑わせないまま薫を泳がせている。
前作では、乃木が仲間を撃つことでテントへ潜入した。
今回は、野崎が仲間を売ることでXINXIへ潜入しているのかもしれない。
今後確認したいポイント
次回以降は、次の描写に注目したい。
- 野崎は佐野へ密かに報告しているのか
- ハン・リンジンと野崎はいつから知り合いなのか
- ハン自身がベキの孤児院出身なのか
- XINXIは孤児院の名簿を探しているのか
- 長野は再び「愛する人」という言葉を使うのか
- 長野と薫の間に過去の接点があるのか
- 薫の家族や経歴が明らかになるのか
- ドラムとクレバノフ家がXINXIにつながるのか
- 新庄の遺体が正式に確認されるのか
まとめ
『VIVANT2』第4話では、野崎が別班員5人を売った裏切り者として描かれた。
しかし、野崎が日本の利益を考えて行動しているように見えることや、佐野が正体を知っていたことから、単純な裏切りとは考えにくい。
野崎はシーズン1の乃木と同じように、仲間を犠牲にすることで敵組織へ潜入しているのではないだろうか。
そして今回、野崎以上に気になったのが長野専務だ。
不自然なほど「愛する人」という言葉を繰り返すのは、乃木と視聴者から薫への疑いをそらすためだった可能性がある。
長野は薫の正体を知っているのか。
ハン・リンジンは、なぜベキの孤児院を調べているのか。
そして野崎は、本当は誰のために動いているのか。
XINXI、ベキの孤児院、クレバノフ家、ドラム、そして薫。
これまで別々に見えていた謎が、少しずつ一本の線につながり始めた第4話だった。


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